未来とつながろう KAKEHASHI

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CREATOR

ニシジマ・アツシ

海外でも幅広く活動を行うサウンドアーティスト

Works

『Ripple effect』 2008

壁に取り付けられたピアノ線の上に、極普通の直流モーターの軸を接触させる。
微細なモーターの振動が弦に伝わり、その波動は左右のブリッジに向かって伝搬し、そして跳ね返る。
その繰り返しは、水面にみる波紋のように寄せては返す。やがてその微細な波の運動は、干渉を繰り返し、音として現出する。

『SKY FISHING - sound kite project』 2005

釣り人が、見えない水中の様々な状況を想像して、仕掛けをつくり、魚と戯れるように、僕も目に見えない風が”いる”空に、"Sound Kite"という仕掛けをもって”音”釣りをする。
*糸にピエゾーピックアップを取り付け、アンプによって音を取り出す。
いい風に出会えた時は、いい音響(おと)にも出会うことができるのだ。
僕は、再現不可能、風まかせの音遊びに、興味はやまない。

『Sympathetic Wiretap op.3』 1996

この作品は、ポピュラー音楽や環境音など、CDに録音された音の情報を、電磁コイルによって磁力化し、ピアノ線に共振させて発音する。空缶状の共鳴体は、琴の柱”じ”ように音程を決める楽割りもしていて、任意に調弦された弦が持つ固有振動数とCDに記録された音がもつ発信周波数の共振、その他、予測もつかない様々な要因によって、無限に音のヴァリエーションを生み出す。
どんな音楽でも使用することが可能で、中古CDショップで売られている100円のものでもよい。この作品は、そのような、不必要になった音楽<=CDに記録されている音楽>を、耳で認識する(聞く)音楽としてとらえるのではなく、音楽的規則を持った電気的信号として捉えて作品に使用し、様々な音が混ざりあった音楽の中から、任意に設定した音程を抽出することで、新たな音場をつくり出している。

『MONDRIAN PING*PONG』 1991

一見、何の変哲もないように見える卓球台。その台の裏には、モンドリアンの絵画が描かれていて、その赤、青、黄色の部分だけは、他の場所よりも、台の厚みが、薄くなっている。
その部分に落ちたピンポン球は、それらの面積の大きさによって、イレギュラーバウンドしたり、音程が変化したりする。
ラケットには、太鼓のように、犬の皮が両面に張られ、それぞれに、違った音程、音色を発する。
そして、ピンポンをすることによって、発せられた音は、サウンド・オン・サウンドという手法で記録される。
この作品に於いては、攻撃をして得点を競うのではない。ラリーを続け合うプレーヤー同士の心遣い、コミュニケーション、そのものが、音楽になる。