ニシジマ・アツシ(Nishijima・Atsushi)

WORKS



壁に取り付けられたピアノ線の上に、極普通の直流モーターの軸を接触させる。
微細なモーターの振動が弦に伝わり、その波動は左右のブリッジに向かって伝搬し、そして跳ね返る。
その繰り返しは、水面にみる波紋のように寄せては返す。やがてその微細な波の運動は、干渉を繰り返し、音として現出する。




釣り人が、見えない水中の様々な状況を想像して、仕掛けをつくり、魚と戯れるように、僕も目に見えない風が”いる”空に、"Sound Kite"という仕掛けをもって”音”釣りをする。
*糸にピエゾーピックアップを取り付け、アンプによって音を取り出す。

いい風に出会えた時は、いい音響(おと)にも出会うことができるのだ。
僕は、再現不可能、風まかせの音遊びに、興味はやまない。

 



この作品は、ポピュラー音楽や環境音など、CDに録音された音の情報を、電磁コイルによって磁力化し、ピアノ線に共振させて発音する。空缶状の共鳴体は、琴の柱”じ”ように音程を決める楽割りもしていて、任意に調弦された弦が持つ固有振動数とCDに記録された音がもつ発信周波数の共振、その他、予測もつかない様々な要因によって、無限に音のヴァリエーションを生み出す。

どんな音楽でも使用することが可能で、中古CDショップで売られている100円のものでもよい。この作品は、そのような、不必要になった音楽<=CDに記録されている音楽>を、耳で認識する(聞く)音楽としてとらえるのではなく、音楽的規則を持った電気的信号として捉えて作品に使用し、様々な音が混ざりあった音楽の中から、任意に設定した音程を抽出することで、新たな音場をつくり出している。


一見、何の変哲もないように見える卓球台。その台の裏には、モンドリアンの絵画が描かれていて、その赤、青、黄色の部分だけは、他の場所よりも、台の厚みが、薄くなっている。
その部分に落ちたピンポン球は、それらの面積の大きさによって、イレギュラーバウンドしたり、音程が変化したりする。
ラケットには、太鼓のように、犬の皮が両面に張られ、それぞれに、違った音程、音色を発する。
そして、ピンポンをすることによって、発せられた音は、サウンド・オン・サウンドという手法で記録される。
この作品に於いては、攻撃をして得点を競うのではない。ラリーを続け合うプレーヤー同士の心遣い、コミュニケーション、そのものが、音楽になる。

PROFILE

海外でも幅広く活動を行うサウンドアーティスト。80年代半ばより実験音楽の制作、ライブ・エレクトロニック・ミュージックによる演奏を始める。その後、音的思考法(”音”の様々な側面を他の事物と類推して発想する)によるサウンド・オブジェやヴィジュアル作品の制作も始める。
'94[Citycircus-Rolywholyover A Circus:John Cage,The New Museum of contemporary art/NYC]に出展、'01「Asian Cultural Council/The Rockefeller  Foundation」の助成によりニューヨークに滞在し個展を行う[SUBTRACTIVE CREATION-VISIBLE SOUND:Location One/NYC]。
その後も 数々のグループショーやアーティスト・イン・レジデンスに参加している。また、ライブ演奏も継続的に行っており、現在は、John Cage Countdown Event2007-2012を主宰するなど、国内外を問わず、展覧会や演奏活動を精力的に展開している。

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