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2009
02.27

【猪子寿之】テクノロジーとアートの最先端を走る「チームラボ株式会社」社長

Author:運営事務局

Tags: 猪子寿之

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「KAKEHASHI」第7回目のインタビューは、東京にある「チームラボ株式会社」の猪子社長!

大阪からはるばるドキドキ、取材に行ってきました!
東京は・・・寒かったです。
 
 
みなさん、検索エンジンって何使ってます?「Yahoo!」や「Google」だと、検索したとき、検索結果って有名な順番だったりPV数の多い順番だったりで表示されますよね。それが「オモロイ順」に表示される検索エンジンが存在するんですよ!その検索エンジン「SAGOOL」を開発したのが、今回取材してきたチームラボさんなんです。「オモロイ順」って誰が決めてんねん!(笑)と突っ込みどころ満載ですよね。
 
さらに、チームラボさんの活動ってそれだけじゃなくて、テクノロジー開発の他に、アート方面でも色んな作品を発表していて、今すごい注目を集めているんです!
 
「KAKEHASHI」プロジェクトは、技術者とアーティストを繋ごうというのが一つの趣旨なんですけど、チームラボさんはその両方を兼ね備えちゃってるわけですよね!そんな会社の代表取締役である猪子社長へ、お話を伺ってきました。
 
 
 
■「日本」とは何なのか?
 
──さっそくですが、ついこないだまでパリにおられたんですよね。パリで発表された作品「花と屍」は、どういうコンセプトで制作されたんですか?
 
猪子:根本的には、西洋的な思想にどれくらい自分が影響を受けているのか、ということにすごく興味があったんです。
 
──いきなり難しいんですけど、どういうことですか?
 
猪子:例えば、日本画の作品ってすごく平面的に見えるじゃないですか。奥行きがない、2次元というか。西洋の写実的な絵って、遠近法がきっちり使われていて、空間に見えるのに、日本画を見ると、「絵」としか思えない。それってね、写真を見すぎて、遠近法を習いすぎていて、脳が西洋的な感性に強制されちゃってるんだと思うんですよ。だって、昔の人は日本画を見て空間を認識していたわけでしょう。日本画は主観的感性によって平面化されているって思われていたけど、昔の日本人にはああいうふうに見えていたんじゃないか、ていうのが僕の幻想としてあって。それを作品として伝えたかったというのが大きなコンセプトですね。
 
──なるほど。具体的には、どういう手法で表現されているんでしょうか?
 
猪子:日本画の空間の認識の仕方はそのままで、それを3Dに再現することで、空間に見えるようにしたいと挑戦したんです。さらに、12面のディスプレイを使って空間を作ったので、それでどういうふうに見えるのか見てみてほしいというのがありましたね。空間にどう再配置するのか、というのにもすごく興味があって。どういうふうに作ったら繋がってるように見えるのか試行錯誤しながら作りましたね。どこから見ても繋がるように作ったつもりなんですが、なんせ実際の画面でのシュミレーションでしか確認できないですから、当日までは結構ドキドキしてました(笑)。実はね、論理的にはおかしい繋げ方も沢山してるんですよ。違う空間を映したものを同じ平面に入れていて。でも驚いたのが、みんな意外に気付かないんですよね。いかに人間があいまいに空間を認識しているかが良くわかりました(笑)
 
──そうなんですか!?人間って意外に適当なんですね・・・ところで、アニメーションになっている絵巻物語には他にテーマがあるんですか?
 
猪子:今回は「循環」をテーマにしているんです。パリで「日本の何か」を展示するにあたって、日本が西洋に比べて一番違うところって何だろう、って考えたんです。それは日本は「自然」と「文明」を両方肯定したところだと思ったんですね。たとえば、昔日本人が鉄を作るようになってから、タタラ場には大量の木炭が必要になるから木を切りすぎて、山が禿げて洪水が起こるようになったんですね。で、日本人は木を切った部分を植林してきたんですよ。西洋では、文明を発展させて堤防を作って洪水を防いでた。日本人は、そういう循環によって「自然」と「文明」を共存させてきたわけです。その「循環」というのをテーマに作品をつくりました。
 
──なるほど!後半にヤマタノオロチが出てきていますが、それも循環とか日本的なものの象徴と考えたらいいんですか?
 
猪子:ですよ(笑)。神話によく出てくるヤマタノオロチって、神話になる前の言い伝えでは、洪水の象徴だったんだと思うんです。目が真っ赤でしょう。鉄を作ると川が真っ赤になるから、その象徴になっていると思うんですよ。ヤマタノオロチが出る=山が怒るから、植林しよう、と、そういう言い伝えがあったんじゃないかなぁと考えて、今回の物語にはヤマタノオロチを結構たくさん描いてます。
 
 
 
■文化と技術を切り開いていく「チームラボ」の活動
 
──猪子さんが大切にしたい日本文化というのはどういうものなんですか?
 
猪子:「身体性」だったり、「主観的な物事のとらえ方」のようなものですかね。パリでの作品は日本画からみた日本人の空間のとらえ方への興味がきっかけだったし、スヌーピーデザイン展で発表した「花紅」もそれに似ていて、水墨画からみた日本人のモノのとらえ方への興味がきっかけなんです。西洋の文脈だと日本の主観性って、アートや映画にしか反映されないような「個性」で片づけられてしまうんですよ。でも、名画の水墨画は誰が見ても名画だし、人の主観的な認識には意外と共通性があって。そういうところにすごく興味があるんですよね。実は「SAGOOL」も似たようなところからできてるんですよ(笑)
 
──えっ、「SAGOOL」も?どういうことですか??
 
猪子:水墨画の話に戻りますけど、僕は水墨画の絵巻を作ってみて、水墨画って「モノのエネルギー」を描いているんじゃないかなと思ったんです。絵巻の中で家を描こうとしたとき、資料がなくて描けなかったんですよ。なんでこんなに家が描かれてないんだろうって思って。それって、エネルギーがないから描けなかったんじゃないかと思ったんですよね。エネルギー体を描いているから色もないし。それに水墨画って、対象物によって方法論や射影の仕方が違うんですよ。「生命感」に対する主観的な認識って意外に共通性があって、フォーカスが絞られたときに共通性が生まれるんじゃないかなと思ったんです。共通性があるから、水墨画って論理化できるんですよね。「SAGOOL」も一緒で、単語ごとにフォーカスをあてると共通性が増す。主観的な「オモロイ」を論理化しないと「オモロイ順」には出せないでしょ?
 
──なるほど!アートとテクノロジーでアウトプットは違うけど、原点は似ているんですね。
 
猪子:僕は、西洋の文脈でいう『いわゆるアート』や『いわゆるデザイン』にはあまり興味がないんです。産業革命以降の近代化で西洋思想がすごく強まって、それゆえに本来日本文化の中で大事にされていたものが大事にされなくなって。僕はそういう、もともとの日本文化というものを大事にしていきたい。チームラボは「文化と技術を切り開いていくような会社にしたい」という思いが強いから、どんどんそういう新しいものを開発して社会に影響を与えていけたらいいなと思ってます。
 
──なるほど、その思いが様々な活動を生み出しているわけですね。ありがとうございました。
 

 
猪子社長がおっしゃってたような「日本文化」って、水墨画もそうだし、浮世絵なんかにもすごく顕著に表れている特徴だと思うんですけど、海外でそういう日本文化に影響を受けた作家だって少なくないですもんね。
 
チームラボさんが、そういった面白い「日本」を代表する作品や技術をどんどん作っていかれることで、「KAKEHASHI」や色んなところに新しい波が広がっていったらいいな~と思います!
 
というわけで、テクノロジーとアートの最先端を走る「チームラボ株式会社」の猪子社長へのインタビューでした!
 
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