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2009
02.19

【塚本昌彦】「ウェアラブルの伝道師」神戸大学大学院教授

Author:運営事務局

Tags: 塚本昌彦

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「KAKEHASHI」第6回目のインタビューは、神戸大学大学院教授、ウェアラブルの伝道師と言われる研究者、塚本昌彦先生をご紹介します!

みなさん、「ウェアラブルコンピュータ」って、何かわかります?着るという意味のウェアとできるという意味のエイブルを足して着ることができるという意味で、なんとコンピュータを「着る」んですよ、塚本先生は!

先生の専門は、ユビキタス社会でどんなコンピュータが必要になるのかを考え開発すること、そのひとつがウェアラブルコンピュータなんです。壁などに埋め込んで使う「ユビキタス」など、新しいコンピュータの在り方についての研究&普及に取り組んでいらっしゃいます。
 
先生をインターネットで検索すると、実際に小型のコンピュータを着ていらっしゃる写真や記事がたくさん出てくるんですが・・・待ち合わせ時間になり、現れた先生もやっぱりつけていらっしゃいました!左目の上に、機械を装着されています。アニメに出てきそう・・・なんて思ってしまいました(笑)ちょっとカッコイイです! 

取材させていただいた12月14日の神戸といえば、「神戸ルミナリエ」の真っただ中。

先生の研究室の学生さんが、この14日と15日にルミナリエでイベントを行うとのことで、その前にお時間をいただき取材させてもらいました!
ルミナリエのイベントで使う、小さな部品?を持ってきてくださったのですが・・・
 
 
 
■生活のもっと近くにコンピュータを
 
──この部品は一体何ですか??
 
塚本:これは、LED(発光ダイオード)のアクセサリーの試作品です。最近LEDの光るアクセサリーがたくさん売られていますが、一定のパターンでピカピカ光っているだけでしょう。これってこんなに小さくてもコンピュータなんです。赤外線を出す部分と受ける部分が付いていて、向かい合わすと…ほら同じ点滅に変化するんです。
 
──ほんとだ!さっきまで別々に点滅してたのに、ペアでつけると同じタイミングで光るようになりました!ちょっと楽しいし、カワイイですね。
 
塚本:うちの研究室では、このようにセンサーを利用した装置やLEDを組み込んだ電子機器をたくさん作っています。例えば、クリスマスツリーにつけて赤外線で光り方を制御していろいろなパターンに光らせるものや、音楽と同期させたLEDを衣装に付けたブレイクダンスも披露します。担当学生は装置や衣装も自分で作ってプログラミングしてダンスも自分たちでします。ダンサーとしてもかなりうまいので楽しめますよ。これを、黒い服にたくさんつけて学生がダンスをするんです。イベントで使うものには、LEDが音楽に合わせていろんな色で光るようにプログラムを組んであるので、暗闇の中で光が踊るような感じになるんですよ。別に私の研究室の学生はダンスをやってるわけではないので、踊るのは結構大変らしいんですけどね(笑)
 
──なるほど、それでルミナリエなんですね!楽しみです!ところで、先生が頭につけている機械はどういった仕組みになっているんですか?
 
塚本:これは、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)と言って、ディスプレイなんですよ。今は腰に付けたコンピュータの画面を見ています。コンピュータの画面が、生活する中で常に目の前に映っているという感覚ですよ。歩きながらでも画面を見られます。もう7年くらいこれで生活してますよ(笑)
 
──7年!? 四六時中ですか!?
 
塚本:さすがに寝るときは外しますけどね(笑)慣れると結構普通ですよ。重さも500gくらいしかないですし、進化してますからね。
 
──そうなんですね…!先生がそういった研究に携わることになったきっかけというのは何だったんですか?
 
塚本:昔から、関数電卓とかがすごく好きだったんですよね。僕は大学に来る前、シャープ研究所でザウルスの通信の研究開発に携わっていて「通信を使えばパソコンの可能性はもっと広がるな」ということをすごく感じてたんです。今はみんなが携帯を持っているのが当たり前の時代になったように、あと何年かすればHMDをみんながつけるのが普通になっていくのではないかと思っています。
 
 
 
 
■アートやエンターテイメントとの融合から文化の普及を
 
──具体的に、先生は「ウェアラブルコンピュータ」についてどういった研究をされているんですか?
 
塚本:まずは人々が使うであろう、市販のHMDの使い勝手の研究ですね。装着していなくてもウェアラブルコンピュータの研究はできますが、7年もこれをつけて生活しているのは日本で僕だけなので、日常の使い勝手という点においては、僕ほどウェアラブルコンピュータを知っている人間はいないと思いますよ。あと、ウェアラブルに有効なインターフェースの研究もしていますし、ウェアラブルで使うソフトの開発なんかをするときもあります。また、浸透していない機器というのはそこに何らかの可能性や効果を感じてこそ使ってもらえるものだと思うので、そういう意味で今一番主にしているのは、アートやエンターテイメントとの融合ですね。楽器として使う、センサーを体につけてアート表現をする、などなど可能性はまだまだあります。
 
──なるほど。なぜアートと結び付けようと?
 
塚本:パソコンは昔は大きくて持ち運ぶなんて考えられないようなものでしたけど、ここ数年でどんどん小さくなって、使い道が変わってきたと思うんですね。その使い方の重要なパートが、アートやエンターテイメントの方向だと思います。そういう方向からのほうが、普及もしそうですし。そういったカジュアルな使い方ができるようになれば、5年後10年後に、若い人たちがもっとヘビーに使えるようになっていくのではないかと僕は思っているんですよ。今の若い人たちは携帯でいろんなことをするでしょう。そういった文化にどう広げていくか、ということを中心に考えていますね。
 
──確かに、携帯のかわりにウェアラブルコンピュータを使う日が来るのかもしれないですね!
 
塚本:きっとそうなります。アート以外でも、たとえばこうして取材をするときに、相手の情報を検索しながら話をできたりすると便利じゃないですか?あとは、警備なんかの指示や場所把握に通信しながら使ったり、そういったビジネスライクな使い方もできますし。街の中を歩いていて情報が飛び込んでくる、という社会がもうそこまで来ているんですよ。(U-JAPAN政策参照http://www.soumu.go.jp/menu_02/ict/u-japan/j_r-menu_u.html
 
──ありがとうございました。
 
 
 
ウェアラブルコンピュータ、すごく色んな使い方ができそうで、私も欲しくなってきちゃいました。HMDは、今の市販の安いものだと1~2万でも買えるらしいですよ!本当に、ウェアラブルコンピュータが生活の一部になる日は遠くなさそうですね。
 
「KAKEHASHIプロジェクト」から、ウェアラブルの可能性がもっともっと広がっていくといいなと思います!
 
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