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2009
06.12

【森山弘樹】マニアックなスーパーCGプログラマー

Author:運営事務局

Tags: 森山弘樹

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「KAKEHASHI」第19回のインタビューは、株式会社トイメディアデザイン代表の森山弘樹さんへのインタビュー。

森山さんは、学生時代からCGで人体モデルを動かすプログラムをつくるようなスーパーCGプログラマーなんです!


森山さんの会社にお邪魔してお話を伺ったのですが、入ると漫画や雑誌、模型がいっぱい。その雰囲気に負けず劣らず、森山さんのお話はマニアックで専門的でした(笑)仕事のお話をする森山さんはめちゃくちゃ楽しそう。大変盛り上がった取材の様子をお伝えします!
 
 
 
■なんでもできる!3Dプログラマー
 
──いきなりですが、そのPCの画面、「初音ミク」ですね。
 
森山:「初音ミク」はいいですね(ここでB.G.M.で初音ミクが流れ出しました)。ボーカロイドの「初音ミク」そのものも凄いですが、その周辺にいる人も興味深いです。例えば、「ミクミクダンス」を作った人なんかは、すごい才能があると思いますよ。最低限の期間で、必要最低限の機能に絞って、しかもおいしいところをきっちり押さえて、なおかつダウンロードは先にさせずにニコニコ動画で発表するという形をとったという。今まで3次元CGのツールって、陽の当たらないものだったんですよね。それなのに、「ミクミクダンス」で一気に注目をあびました。実際にそれを使ってアニメーションを作って、初音ミクの楽曲に合わせてPVがバンバン発表されていて・・。あれはすごい文化ですよね。
 
──でも、この画面のミクちゃん、ちょっと不思議ですけど・・・。
 
森山:いま、3Dデータを簡単に動画にするエンジンを開発中なんです。その動きを「初音ミク」でシミュレーションしていました。3D-GANという業界団体が企画しているプロジェクトの一環で、ボクもそれにかかわっているんです。アニメーションを作るアプリケーションとして後日発表しますから、楽しみにしていてください。
 
──なるほど。3D-GANの活動とあわせて、チェックしときます。さて、そもそも森山さんは、普段どんなお仕事をされているんですか?
 
森山:大きく言うとプログラミングですね。画面上で、キャラクターを3Dで自由に動かせるようにするプログラムを組んだりだとか・・。たとえばXbox360で動く業務用3DCGアプリケーションの開発なんかを最近やりました。これはボタンひとつで部屋の壁紙、床、家具の色なんかを選んでいくことができて、そして部屋を見回すような感覚で色んな角度から眺めることができるようになってます。ある企業から、PC用の業務ソフトをゲーム機でできないかという依頼が来てやったんです。ショールームに置くのにパソコンだと置きにくいというのと、ゲーム機だとお客さんにも馴染みやすいというので・・。これくらいだと、ある程度のスキルのあるプログラマーならできると思うんですけど(笑)
 
──面白いですね!作業は全部お一人でやっていらっしゃるんですか?
 
森山:基本的にすべて一人でやりますよ。3Dキャラクターのモデリングは別でお願いしてるんですけど。それ以外は全部一人でやってます。
 
──仕事をされていて、苦労するところというのはどういったところですか?
 
森山:やっぱり、新しい情報に対して常にアンテナを張っていないといけないというところはありますよね。新しいものがどんどん開発されてきますから。でも今は、昔に比べたらずいぶん楽になりました。今はライブラリが充実していますから、僕らが作らなければいけないものが少なくなってきたんですよね。全部ライブラリをチョイスして組み上げて、お客さんのニーズに合ったアプリケーションをそのままお渡しすればいいような形が多いですから。時々、お客さんの欲求がとんでもないものだった場合は苦労することもありますけど(笑)
 
──部品が色んなところに出来上がっている、ということですね。
 
森山:そうです。あとは、インターネットの存在も大きいですよね。分からないところあがればインターネットで調べればなんとかなりますから。本よりも最新の情報が載ってますし、本でアルゴリズムを解説するというのはなかなか難しいですから。僕も本を出したり、もともとはライターをやってたりもしましたけど、やっぱりインターネットのほうがこういうものの調べ物には適しているかなと思っています。
 
──えっ、もともとはライターをされていたんですか?
 
森山:そうなんです。「C MAGAZINE」で、3Dの開発環境に関する記事なんかは良く任せて頂いてました。
 
 
 
■3Dデータの新たな可能性を追求したい
 
──今後の活動として何か気になっていらっしゃることはありますか?
 
森山:今わりと興味を持っているのが、立体出力プリンターなんですよ。今は新規事業として、3DCGで作った模型をそのまま立体出力して、本物の模型として販売するという企画を進めています。立体出力プリンターを使うと、金型が要らないので、今まで模型の生産につきものだった「金型を作るかわりに量産しなければならない」という縛りがなくなるんですよね。それだと受注生産という形も取れますし、これは、かなり新しい文化になっていくんじゃないかなと思っています。
 
──立体出力というのは、石膏で作られるやつですか?
 
森山:いえいえ、最近は色んなタイプのものが出てまして、僕が狙っているのはUV硬化樹脂で作られるタイプのものなんです。まだ今はプリンター自体が500万くらいするので、値段が手頃になったら個人的に導入して模型を作ってみようかなと思ってます(笑)。このプリンターは凄くて、最初から色付きで出てくるんですよ。また、バラバラのパーツを組みあげた状態で出力することもできるんです。模型として出力するぶんには非常に頼もしいですよね。最近の子供はプラモデルへの馴染みが深いと思うんですけど、プラモデルって色付きで組み上げられたものが多いじゃないですか?そのイメージに非常に近い形での出力が可能なんです。
 
──すごいですね!その立体出力プリンターは、業種的にいうとどこで使われるものになるんですか?
 
森山:もともとは、インダストリアルデザインのプロトタイプの出力が多かったようです。いまは使用が限定されていますが、技術ももっと向上するでしょうし、そうすれば、都市模型の出力なんかにも使っていけるようになるかもしれません。なんにせよ、もっと色んなところで使っていけるツールだと思ってます。ただそのためには、ポリゴンの立体情報を共有化するなどといった事が必要になります。そんな観点から、いま前述の3D-GANに所属する東京の数社と協働で、「マスターピース」というプロジェクトを進めています。
 
──なるほど!そのプロジェクトではどういうことを企画されているんですか?
 
森山:冒頭にご説明したアニメーターのエンジン開発もその一環です。単純に個人が3Dで作ったデータをみんなで共有したり、みんながバラバラに提供したデータを使って新しいものを作り上げたりと、ポリゴンデータの共有と創作を左右できるような新しい仕組み作りをしていこうというものです。データセキュリティも考えた上で、守らなければならないデータは守り、共有できるデータは共有し、目的にあった使い方ができるよう仕組み作りをしていきたいですね。
 
──非常に興味深いですね。ありがとうございました。
 
 
 
サラっと語っていらっしゃいましたが、要は森山さんは3DCG業界の新しい文化を創造していく人物っていうことなんですよね。今後のネット社会やCG業界がどのように発展していくのかがとても楽しみです。
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