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2009
03.13

【柴田文江】「design studio S」デザインの消臭剤登場!「消臭スイコム」

Author:運営事務局

Tags: 柴田文江

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こんにちは!今回は、「KAKEHASHI」番外編のインタビューです!ご紹介するのは、「KAKEHASHI」編集部で手掛けている別プロジェクト。
小林製薬さんから近日発売される新製品「消臭スイコム」の開発を、「KAKEHASHI」編集部とインダストリアルデザイナーの柴田文江さんと小林製薬さんで、3年かけてやってこられたそうです!

「消臭スイコム」のデザインをされた柴田文江さん。柴田さんのデザインに対する思いや「消臭スイコム」のプロジェクトの裏話などをお話していただきました!
 
柴田さんはまさに「デキル女!」といった感じの、カッコイイお姉さんなんです!話し始めると、プロならではの目線や「インダストリアルデザイン」に対するポリシーなど、感嘆せずにはいられない内容ばかり。お話を聞けば聞くほど、憧れが膨らんでしまいました。そんなインタビューの様子をお伝えします。
 
 
 
■「消臭スイコム」のコンセプトとは?
 
──このプロジェクトに柴田さんが関わることになったきっかけというのは何だったんですか?
 
柴田:大広さんから、「小林製薬さんの消臭剤の新製品のデザインをやらないか」というお話をいただいたのがきっかけですね。小林製薬さんって、出される製品の数がすごく多いんですよ。その中でデザイン性の高いものを出して、成功させることができれば、小林製薬さんはじめスーパーや薬局とかにある製品に新たな世界が広がるんじゃないかなと思って。今までのトイレタリー商品の常識を変えてやろう!と思ってデザインしました。
 
──柴田さんらしいエネルギッシュなパワー全開ですね(笑)今回のプロジェクトをやる中で、どんなコンセプトでデザインを進めてこられたんでしょうか?
 
柴田:まず「小林製薬さんらしいもの」というところですね。小林製薬さんの本質って何なんだろうって。というと、製薬会社で、テクノロジーが重視されるところがあるんじゃないかなと思ったんです。だから、「消臭剤」としての機能は最大限に発揮されないといけないなと。「匂いが消える」ことがまず重要で、消臭剤って形がなくていいけど作らないといけないっていうものなんですよね。だから「中身だけを作りたい」というのが一つコンセプトとしてあったんです。
 
──中身だけ・・・というと、厳密には消臭ゲルだけを作りたかったということですか?
 
柴田:ある意味そういうことなんですけど、ちょっと違いますね。みんな「あれってああだったね」っていう何かが欲しいんですよ。消臭剤を買おうと思って売り場に立って、どれにするかを迷っている人に、その迷いをグッと引っ張ってくれるカタチのキャラクターみたいなものが必要だと思うんですよね。そこにはインダストリアルデザインを盛り込んでいけるなと思ったし、そこにこそデザインの必要性があると思いました。
 
──なるほど。こういうデザインにした理由というのは何なんでしょうか?
 
柴田:消臭剤って、すごくキレイなデザインにしていても、穴がいっぱい開いているものが多いんですよ。それってやっぱり開口率が必要なんだろうなと思って。それがなんか不自然だなと。だから、「穴」をテーマにしようというのが一番最初にありましたね。消臭剤って空気に触れなきゃ仕事になんないから、「穴」は大きな柱になってました。あと、大事にしてたのが「後ろ前がない」というところですね。部屋の匂いを一気に消臭するためには、全面から吸収できないといけないですから、前だけデザインされてても意味がないなと思って。
 
──確かにこれ、すごく吸収できそうです(笑)
 
柴田:でしょう(笑)今までデザインにあまりこだわってなかったというところから見て、ただただ「デザイン的なだけ」のものではダメなんだろうなと思ったんですね。理屈的にもそのデザインが「良い」ものじゃないといけない。「デザインが良い」と思わない人にとっても、空気に触れる面積が広いからすごく消臭できるとか、そういう機能面での利点があれば「良い」と思ってもらえますからね。
 
 
 
■さまざまな苦労を経て出来上がった「消臭スイコム」
 
──「消臭スイコム」をデザインする上で、試行錯誤されたエピソード等があれば教えてください。
 
柴田:グループインタビューなんかはやりましたね。「においのスペシャリスト」みたいな人をたくさん集めて、においについて色々と聞いてみたんですよね。そしたら、やっぱりそんな薬局とかで売っているものなんかにも、「キレイ」とか「カワイイ」とかを気にしてるんだな~っていうことが分かって。そういう切り口もあるんだなって思いました。あとは、消臭剤に対するニーズってすごく高いのが分かって、「いいものを作れば売れそうだな」と勇気が湧きましたね。
 
──このプロジェクトを進める中で、一番苦労した点というのは何ですか?
 
柴田:みんなが「これがいい」って思っていたはずなのに、値段なんかの問題で、どんどんそれがズレていってしまうことに一番苦労しましたね。開発が進んでいくと「自分じゃない自分」で判断しなくちゃいけないときって多いんですよ。みんな、どっかの誰かのために考えないといけなくなる。だけど、「あなた自身が感動したところはどこですか」というところを探しながら、理想の状態をできるだけ崩さないというところは非常に難しいですね。
 
──そうなんですね!具体的にこの製品でいうと、どういったところでズレが起きたんですか?
 
柴田:コストの問題で、真ん中の穴を片方だけ閉じられないかという話が上がったんですね。だけど、デザインの肝ってあるじゃないですか。技術者からしたらそれって少しの違いになるかもしれないんですけど、私たちデザイナーにとっては天と地くらい違いますよ。寸法が変わろうが、淵が太くなろうが構わないけど、穴をふさいでしまったらデザインからやり直したほうがいいんです。
 
──なるほど。その思いが通じて穴を塞がずに完成できたわけですね。
 
柴田:そうですね。その点では、今回は本当に最後まで殆ど理想のデザインを変えずに進めることができて本当に良いプロジェクトになりました。というか、多分みんながどこかで「穴がいい」というところに納得してくれてたからだと思うんです。デザイナーがいくら声を荒げても、自分がいいと思ってなきゃ納得しないですからね。何度もプロジェクトが白紙に戻りかけたことがありましたけど、誰も「デザインが・・・」とは言いださなかったんです。必ず何か行き詰ったら、「デザインが悪いんじゃないか」ってなるもんなんですね。でも今回はそれがなかった。それはすごく嬉しいですね。
 
 
 
■「こういうのが欲しかったんだよね」を引き出すデザインを
 
──柴田さんがデザインをされる中で、一番大切にしていることというのは何ですか?
 
柴田:デザインをするってなったとき、そのデザイン対象になるものの、心の中にもやもやっとある潜在意識みたいなものを一つ一つ形にしていきますね。聞くとなるほどって思うけど、デザインするとなると一つ一つ作っていくので、新しい発見がたくさんあります。仕事がくると、今まで一般の人間としてなんとなく捉えていたものを、もう一度プロの目線でそのものの本質を捉えなおすんですね。多くの人を共感させないといけないわけだから、モノの本質を捉えることが重要だと思うんです。
 
──確かに、そうですよね。それは小林製薬さんも共感されたんですか?
 
柴田:うん、「穴」に関しては早かったですね。私が心の中で思ってる「なんか分かんないけどこんな感じ」ていうのはみんなにあると信じているんです。それを言ってあげると、「あ、なるほどな」ってなるはずで。「合理と必然」というのが私の中のテーマなんですけど、その「なるほどな」って「こういうのが欲しかったんだよね」になると思うんですよ。だって、「こういうの」なんてその人の中にあるわけないんです。見せられたものに納得すると、それが「欲しかったこういうもの」に思えてくるだけで。それはその人の潜在意識の中にあるものと直結するってことなんです。それを見つけて「欲しかったこういうもの」を作っていくのが、私たちデザイナーの仕事だと思ってますね。
 
──なるほど…!深いですね!今回は、3年にわたる壮大なプロジェクトになったということですが・・・
 
柴田:そうですね(笑)うちの事務所でも、過去最長のプロジェクトですね。最初、デザインを提案したときはすごく反応が良かったんですよ。その後が長くてね…。この穴を貫通させるっていうのが、とても難しかったようです。私たちが想像していないところで色んなハードルがあったみたいです。今までゲルにデザインを入れるなんて発想がなかったみたいで。まさに「KAKEHASHI」ですよね(笑)
 
──こんな形で「KAKEHASHI」が結ばれていくわけですね。これからもどんどん素敵な「KAKEHASHI」を生み出していってください!ありがとうございました。
 
 
 
「消臭スイコム」は消臭剤とは思えないくらいかわいくて、インテリアにこだわる人なら絶対に使いたくなること間違いなしです。あれをトイレに置いただけで、トイレがなんだかオシャレになりそう!それに、部屋や目立つところに消臭剤を置くのはちょっと気がひけるけど、「消臭スイコム」なら部屋にいくつ置いてもカワイイし、逆にオシャレ度が増しますよね!
 
インダストリアルデザインのプロセスや苦労が見えてすごく面白いインタビューでした。デザイナーと技術者の「KAKEHASHI」から生まれた「消臭スイコム」。3月25日に発売予定だそう。楽しみですね!!見かけたらぜひ、「KAKEHASHI」を思い出してみてくださいね(笑)
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