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2009
03.06

【Antenna】ジャンルを超えた幅広い作品を制作するアーティストグループ

Author:運営事務局

Tags: antenna

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「KAKEHASHI」第11回目のインタビューは、またまた京都にアトリエを持っているアーティストさんの紹介です。

「Antenna」さんは、映像作品や立体作品をジャンルを超え幅広く発表しているアーティストグループ。


「Antenna」さんの作品の中で特に印象的なのが、「ジャッピー」というキャラクター(写真右。ジャッピーの着ぐるみです)。

今回のインタビューでは、作品へのこだわりはもちろん、「ジャッピー」の誕生秘話(?)もお話していただけました。
 
今回お会いしたのは、メンバーの田中さんと市村さん。古川さんは都合が合わずお会いすることができなくて残念だったんですが、お二人の柔らかくて親切なお人柄から、「Antenna」さんの和気あいあいとした暖かい雰囲気が伝わってきました~。
 
 
 
■映像、立体、絵…ジャンルミックスの作品で独特の世界観を表現する
 
──「Antenna」さんが結成された経緯を教えてください。
 
Antenna(田中):僕が「カミーユ」という、お笑いのようなコメディ映画の制作をしようと呼びかけたのがきっかけです。2002年ですね。「カミーユ」はその年に短編映画として発表して、翌年の「NEW-GENERATION 3」という企画展で、「カミーユ」をインスタレーションする展示をやりました。古川と市村は最初からいるメンバーではないんですよ。というか、「Antenna」は、初期メンバーみたいなのはいるけれども、プロジェクトごとにメンバーが変わったり外部から手伝ってもらったりするので、色んな新しい人や技術との出会いがあって面白いですね。ちなみに大学時代は、僕はビジュアルデザインを専攻していて、市村は彫刻、古川は環境デザインを専攻してました。
 
──市村さんが「Antenna」に入ろうと思われたきっかけというのは何だったんですか?
 
Antenna(市村):僕は京都芸大の彫刻を出てから、木工の専門学校に通って勉強してました。田中はそれを知っていて、何か一緒にやろうって度々言ってもらってて。僕は立体作品の彫刻がどんどんやりたかったので、やれそうだなと思って参加しました。
 
──展示されているものの完成度がすごい高いですが、あれも市村さんが作られているんですか?
 
Antenna(市村):そうですね。これ作ったの?って良く言われます(笑)。専門性の高いところとかは、友達や知り合いに頼んで自分たちの手の届く範囲でやろう、ということにしています。お金を払って外注するということはしないですね。よくどこに発注したの?って聞かれますが、作ってます。ちなみに、この瓦もお札も自分たちで作ってます。瓦を作ったときは、滋賀県の八幡瓦の工場の人がすごい良い方で、「うちでやったらいいよ」と言ってくださって。型を作って行って、出来上がるまで車の中で寝て・・・みたいなことをして作りあがりました(笑)
 
──すごいです!映像のほうは、田中さんがやられてるんですか?
 
Antenna(田中):そうですね。一応映像を作ろうと言って集まったグループで、僕が映像をできるようになってみんなに教えて、みんなもすごくできるようになって、という形で今までやってきてたんです。でもこういう立体の展示をやるようになってから立体の作品がすごく増えてきているので、映像を教える時間がなくなってきてますね(笑)でも大体の展示では少しずつ映像作品も中に入れていますし、映像作品はけっこう色々作ってますよ。映画も合間合間を縫って少しずつ制作してます。
 
──今後は、立体作品を中心に、ちょこちょこ映像作品を・・・という感じですか?
 
Antenna(田中):市村は映像をやりたくて参加しているわけではないので、やっぱり立体作品も今後も多く作っていくと思いますね。あと最近、映像の役割が絵のほうにシフトしてきたんです。映像をやればやるほどに、「こうしてやろう」とか「こう見せてやろう」とかばかりが先行して、見る側が入り込む余地が少ないな~っていう感覚が生まれてきたんです。映像だと時間軸も制作側が決めるじゃないですか?絵の場合は見る人それぞれが見る時間を作っていくから、インスタレーションを体験したあとに入り込む世界が作りやすいのかな、と思っているんです。だから、インスタレーションはメンバー全員で取り組んで、テーマ、方向性を決めていきます。制作も皆でするんですよ。木工制作が市村、映像・絵は田中という役割は作業段階でのリーダーみたいなものですかね。
 
 
 
■ジャッピー中心の作品から新しい形の作品へ
 
──最近、韓国での活動が多いようですが・・・
 
Antenna(田中):そうですね、ここ2年くらい。最初の活動は「Art in Daegu」というプロジェクトで、知り合いの紹介でやらせてもらうことになったんです。「Daegu(テグ)」という町はわりと保守的らしいんですけど、国じゃなく色んな町からアーティストを集めて、美術館とかそういう既定の場所以外でアートを持ってきてやりたい、というアツいプロジェクトで。主催の方と話す機会を頂いたときに、まだ作品の話とかもしていなかったんですけど、ジャッピーの写真を持っていったんですよね。それで展示をやらせてもらうことが決まったんです。それが1回目の韓国での展覧会ですね。
 
──ジャッピーが決め手になったんですね!
 
Antenna(田中):「国や民族とアートの関係」というのが強いテーマだったので、ジャッピーの日本の記号を身につけている姿を見て良いと思ってもらえたんだと思います。名前も、「Jappy」だし、富士山や梅干しを身につけてますから。この展示は、日本が第二次世界大戦のときに、韓国に無理やり国債を発行したことへの反対決起集会をやった記念の場所が会場だったんですね。なので、「お金」っていうところで何か応えてほしい、という意味で、ジャッピーのお金を沢山作って展示をやりました。で、それを街の人たちにも配ったりして、それを撮った映像作品も作りましたね。韓国の方は、意外にすごい喜んでくれてました。
 
──そうなんですね!ちなみに、ジャッピーは何がきっかけで生まれたキャラクターなんですか?
 
Antenna(田中):2003年に、2作目の映画として、「囿圜 yuen」という架空の歴史系の長編映画を作ろうということになったんですよ。そのとき生まれたのがジャッピーです。ヤマトピアっていうテーマパークの世界で映画を作ろうとしてて。素材を撮って合成したり、着物や鎧なんかも自分たちで用意してやろうとしてたので、結局なかなか完成までたどり着けなくて、生活のためにも(笑)公募展なんかに作品を出していくようになったんですね。それでたまたま公募に通って、出展させていただくことになったのがヤノベケンジさんとの「第2回現代美術コンクール受賞作家展」での二人展なんです。その時に、映画の世界観を現実に存在する作品として出していく、という展示をやったのをきっかけに、こういう作品を求めてもらえる機会が増えてきて。そこからどんどんジャッピーが中心になる展示が増えましたね。
 
──基本的には、立体作品の展示は映画の世界がモトになって作られているんですね。
 
Antenna(市村):韓国までの作品はそうでしたね。映画の世界を現実にどう切り出していくか、というのがテーマになってました。韓国の作品からはそれがちょっと変わりましたね。というのも、韓国に出展する前の「岡本太郎現代芸術賞」での作品が、僕らはどうも思うようにいかなかったんですよ。美術館に置いた時点で、「なんか違う」ていう気持ちが出てきて。で、それは何だろう?って話しているうちに、僕らは映画の世界を切り取って展示しているだけで、でも実際の展示場所にはモノしかない。これを見て映像の世界に行けるかっていったら行けないなっていうことに気づいたんですよ。だから、映像の世界を切り取るんじゃなくて、ここから映像の世界に入れるようなモノを作らないと、目の前にあるモノは全然楽しくならないなっていうことに気付きました。そっからの作品はだいぶ今までとは違いますね。
 
──なるほど。どんなふうに作品を変えていっているんですか?
 
Antenna(田中):今まではジャッピーというキャラクターを使ってそれをどう見せる
か、ということをずっと考えてきたんですけど、ジャッピーを使わずに作品を作るようになってから、前よりも今まで思ってきたこととか、自分たちの映像の世界っていうのを逆に上手く出せるようになってきた気がします。なので、最近は作品にジャッピーが出てくることが減ってきましたね。今までは、僕らはジャッピーに踊らされてたのかもしれないです(笑)今は、ジャッピーや映画の世界を全く切り離したようなところから作品を作ってみたりしていく中で、新しい作品の形態やこだわりを生み出している最中という感じです。それでようやくジャッピーのことが分かってきて、ジャッピーをどう使っていくか、というのが明確になってきた感じがしますね。
 
──今後も斬新な作品やジャッピーが楽しみです!ありがとうございました。
 
 
 
取材の後には、アトリエに隣接した「Antenna」さんのギャラリーにもお邪魔させてもらって、「ジャッピー」の着ぐるみの頭を着せてもらったりもしました(笑)ジャッピーは見れば見るほどかわいかったし、そこから生まれる世界観の壮大さに驚くばかりでした!
 
京都はとにかく寒かったんですが(笑)、いろんな作品を見せていただけたり、裏話を聞かせていただけて本当に楽しかったです。
 
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